心の健康

マズロー流「心の健康法」/①心が病んでしまうのはなぜ?生きづらさやモヤモヤ感の正体

 

このコラムでは、Amazonで販売中のkindle電子書籍 『なぜウツになる人とならない人がいるのか~マズローが教える心の健康法~』の内容の一部を、チョコっとだけご紹介させていただいています。

 

この書籍では、

「なぜ、いまの時代うつ病になる人がこれほど多いのか?」
「一方で、どうしてうつ病にならない人がいるのか?」
「うつ病以外の心の病気、あるいは、多くの人々が生きづらさを感じている原因はどこにあるのか?」

そんな疑問と向き合う際のヒントを、マズローの心理学をベースに紐解いています。

ご自身が心の病気を患っている方はもちろん、家族や友人や職場の同僚が心を病んでしまっている方々が、この書籍を通して何かしらの新しい気づきを得たり、今まで疑問に思っていた自分や周りの人々の心の問題への理解を深めていただければ嬉しいです。

なお、このコラムは書籍の内容をテイストを変えて紹介しているものなので、書籍をすでにお読みいただいた方には別の角度から理解を深めることにもお役立ていただくことができます。

 


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さて、それでは早速、今回のコラムの本題に入りましょう。

 

まず、最初に結論から言うと、マズローは、「欲求が満たされないこと」が僕たちの心を病気にすると考えていました。

ちなみに、欲求というのは、平たく言えば「こうしたい!」「こうなりたい!」「こうありたい!」という気持ちのことです。

分かりやすいのは、「ご飯が食べたい!」であったり「眠りたい!」といった気持ちですね。

もしくは、「出世したい!」「結婚したい!」「お金持ちになりたい!」であったり、「旅行したい!」「遊びたい!」「ダラダラしたい!」といったものも欲求には含まれています。

要するに、何かを願ったり望んだりする願望全般のことを指して欲求と呼んでいたと思っていただけたら大丈夫かと思います。

 

逆に、欲求がなければ基本的には僕たちは行動しません(笑)

そういう意味では、何かしらの行動をする背景には「~したい!」という欲求があるということですね。

というか、その「~したい!」という欲求を満たすために人は行動をすると言ってもいいかもしれません。

そういった意味では、大きく捉えれば欲求というのは文字通り、なにかを「欲していること」「求めていること」と言ってもいいと思います。

 

そして、当たり前な事なんですが、「~したい!」と思っているのにそれが出来ないことは嫌なことですよね。

やりたいことができなかったり、期待していることや望んでいる状況が叶わないことは不満につながって、僕たちはそれにストレスを感じます。

場合によっては、それが「ムカつく」や「悲しい」といったような感情を生みますし、逆にその欲求が満たされると「嬉しい」みたいなポジティブな感情になることもあります。

あるいは、欲求が満たされないことが不安や心配の種になることもありますし、欲している状況や求めている事柄が叶わないことに恐怖を感じたりもします。

たとえば、出世したい人や恋人が欲しい人は、それが叶わないと悲しんだり不安になったりするようなことも、これと同じですね。

 

そして、この「~したい!」という欲求が満たされないことは、僕たちが思っている以上に自分自身の心模様に影響を与えているんです。

しかも、その影響が自分でも気づいていないかたちで日常生活の中で問題を起こしていることも珍しくないのです。

言い換えれば、普段の生活における仕事・人間関係・お金などにまつわる問題の根底には、実は欲求が満たされていないことが隠れた原因になっていることが自分の想像以上に多いんですよね

 

しかも、僕たちは自分でも知らず知らずのにうちに欲求不満によって生じる感情を抑えていたり、そもそも無意識下で欲求自体の存在を無視していたりするんです。

言い換えれば、「~したい!」という自分の本当の気持ちにコッソリ蓋をしたり、それを見て見ぬフリをしていたりすることがたくさんあるのが僕たち人間なんですね。

 

要するに、僕たちは自分のなかにある「~したい!」という気持ちを必ずしもすべて把握できているわけではないし、それをぜんぶ表に出すこともしませんし、それを素直に満たそうとするワケでもないということです。

 

むしろ、自分の欲求に忠実で、その衝動に正直に従って不満を満たせる人はほんとどいないとマズローは言っています。

むしろ、逆に自分のすべての欲求を自覚できていて、なおかつそれを全部満たせていれば、その人は幸せにしかなれません(笑)

あらゆる欲求を満たせていれば、人生に不満なんてないでしょうし、心も病みようがないですよね。

 

しかし、そうは言いつつも、仮にもしすべての欲求が満たされたとしても本当の意味での幸せにはなれないと言ってるのが、マズローの考え方の面白いところなんですが、それを詳しく語り出すとキリがないので今回はちょっと置いておきましょう。

 

いずれにしろ、「~したい!」という欠乏感や空白のようなものが満たされていないことが不満やストレスの原因であり、それと同時にそれが日常生活における様々な問題の原因にもなっていて、そのような事が結果的に心の病を生むことにつながるという考えが、マズロー流の心の健康法のスタートにあるんですね。

 

そういった意味でも、僕たちは本当は自分がどんな「~したい!」という欲求をもっていて、それがどれだけ満たされているのかをしっかりと把握することがとても大切なのです

そのうえで、その欲求が満たされていない理由と、その欲求不満によって実はどんな問題が生じているのかをちゃんと明確にすることが大事になってきます。

 

そのようにして自分の本音としっかり向き合う中で自分への理解を深め、マズローが語る欲求満足の方法や注意点なども参考にしながら自分の心を満たしてあげることで、心はどんどん健康になっていきます。

事実、マズローが「真の健康的な心の持ち主」と認めた人々は、自分の欲求を満足させる達人でもありました

ちなみに、彼らは自分の欲求だけでなく、自分以外の人々の欲求を満たしてあげることができる達人でもあります。

そして、そのようにして健康な心を取り戻すことは自分にとって本当に望ましい人生を生きることに繋がり、楽しくも充実感でいっぱいの、自由で伸び伸びとした心持ちで毎日を過ごすことができるようになるのです。

 

一言で言えば、マズローの語る「健康な心の持ち主」になることで、僕たちは自分の人生を、満ち足りた気持ちと共に本当の意味で味わい尽くせるようになるのですね。

 

・自分のなかの「~したい!」という欲求が満たされないことが心の病を生み、生きづらさやモヤモヤした気持ちの原因にもなる

・僕たちは自分の欲求を正確に把握していないし、見て見ぬフリをすることも多い

・日常生活における様々な問題が、隠れた欲求不満によるものである場合もたくさんある

・自分の欲求としっかり向き合い、それを健全な方法で満たすことで、僕たちは健康な心と共に自分にとって本当に望ましい豊かな人生が送れるようになる

 

 

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